2009年08月18日
課税事業者選択届出
消費税は難解でややこしい点があります。
資本金1000万円未満の法人の設立第1期・第2期は免税事業者です(期首日の資本金額が1000万円未満なら免税)。
設立第1期、第2期あるいはその後の期に大きな設備投資をする場合(つまり売上などで預かった消費税よりも仕入れ・経費・設備投資などで預けた消費税が多い場合)、消費税の還付を受けたほうが得です。ただし、免税事業者のままでは絶対に還付は受けられません。課税事業者を選択する必要があります。
課税事業者・免税事業者 全ての事業者が消費税の納税を行うのが原則ですが、次の1・2の事業年度は消費税の納税義務が免除されます。
1.資本金1000万円未満の法人の設立第1期と第2期
2.設立3期目以降で、基準期間(前々事業年度)における課税売上高が1000万円以下の事業年度
納税義務が免除された事業者を「免税事業者」といい、納税義務が免除されない事業者を「課税事業者」といいます。
区 分 |
課税事業者 |
免税事業者 |
第1期・第2期 |
資本金1000万円以上 |
資本金1000万円未満 |
第3期以降 |
前々事業年度の課税売上高が1000万円超 |
前々事業年度の課税売上高が1000万円以下 |
第1期に増資した時
設立第1期及び第2期の判定はその事業年度開始の日の資本金の額によります。例えば、資本金300万円で設立した会社が、第1期において700万円の増資を行った場合には、第1期は設立時の資本金300万円であるため免税事業者、第2期は増資によりその開始の日の資本金が1000万円となっているため課税事業者となります。また逆に、資本金1000万円で設立した会社が、第1期において500万円の減資を行った場合には、第1期は設立時の資本金1000万円であるため課税事業者、第2期は減資によりその開始の日の資本金が500万円となるため免税事業者となります。
免税事業者のままでは還付は受けられない
免税事業者である課税期間については、消費税の申告書を提出することができません。たとえ、設備投資などの巨額な課税仕入を行い、還付金が計算される場合であっても免税事業者である限りは、申告書を提出して還付を受けることはできません。
課税事業者の選択は
免税事業者が還付を受けるためには、あらかじめ自ら率先して課税事業者になっておく必要があります。資本金1000万円未満の法人が設立第1期または第2期から課税事業者になるためには、第1期の期末日までに、適用開始時期を明記した「消費税課税事業者選択届出書」を提出しなければなりません。
選択は2年しばり
この特例の適用を止めようとする場合には、選択不適用届出書を提出します。選択不適用届出書は、課税事業者となった課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以降でなければ提出できません。つまり、還付のある課税期間にだけ課税事業者となることは許されず、還付か納付かに関わらず、課税事業者を選択する場合は、最低でも2年間連続して申告しなければならないということです。課税事業者を選択した課税期間に還付を受けても、その翌課税期間には納付が発生することが多く、2年間のトータルで有利不利を検討する必要があります。なお、廃業の場合は届出時期に制限はありませんのでいつでも提出できます。
第1期から選択した場合は3年しばり
第1期は設立から期末までの期間が1年未満であることが多く。第1期から課税事業者を選択した場合には、第2期まで不適用届出書の提出が制限され、ほとんどの場合、第3期まで課税事業者となります。2年を経過する日というのが第3期の途中になり、結果的に第3期まで拘束されるということになります。(個人経営の場合は年の中途で開業した場合であっても、課税事業者となった課税期間の初日はその年の1月1日ですから3年しばりではなく2年しばりとなります)
2009年08月18日
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