2010年09月08日平成22年消費税改正(自販機節税の規制)今回の消費税の改正は、以前から問題視されていた「自販機節税」を規制するものです。貸付用のマンション等を建築する際に、形ばかりの自販機を設置することにより、法の抜け穴を利用して建築費に係る消費税の還付を受けるというものでした。 還付は従来通りできますが、その後に「調整対象固定資産に関する課税仕入れ等に係る消費税の調整」により、還付金のほぼ全額を取り戻される仕組みになりました。 (1) A:課税事業者選択届出書を提出し、平成22年4月1日以後開始する課税期間から課税事業者となる場合、課税事業者となった課税期間の初日から2年を経過する日までの間に開始した各課税期間中に 注)調整対象固定資産とは、棚卸資産以外の資産で、建物、附属設備、構築物、機械装置、船舶、車輌、工具器具備品等で税抜き100万円以上のもの。該当の課税貨物を保税地域から引き取った場合も含まれます。 今までは課税事業者を選択した場合は2年間の強制適用でしたが、これからは強制適用の期間が3年又は4年となります。そして、今回の改正は自販機節税の規制を狙ったものでしたが、100万円以上の機械装置、車輌、器具備品などを対象としたことで結果的に自販機節税を意図した人以外も大きく影響を受けることとなりましたので、非常に身近な改正と言えます。 2010年09月08日 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0) |
2010年09月02日固定資産の税額調整固定資産の取得価額については、耐用年数に応じ、減価償却費として複数年にわたり費用配分します。消費税の面では、固定資産を購入した時に支払った消費税は、課税売上割合が95%以上の場合、取得した事業年度においてその全額が税額控除の対象とされます。しかし、固定資産のように長期間使用させるものについては、購入時の状況やその用途により税額控除を完結させるのはいささか問題があります。そこで、課税売上割合が著しく変動した場合や、用途を変更した場合にはその固定資産の当初の控除税額についてあとから調整を加えることとされています。 対象となる資産は建物、構築物、機械装置、車輌等で税抜きの取得価額が100万円以上の固定資産で、これらの資産を「調整対象固定資産」といいます。 1. 課税売上割合が著しく変動した場合の調整 このような調整計算は、調整対象固定資産の控除税額を一括比例配分方式、あるいは個別対応方式で共通対応仕入に区分して計算した場合に限り行うものですので、95%以上による全額控除、あるいは個別対応方式で課税売上にのみ対応する仕入に区分して計算したような場合には適用されません。課税売上割合が税額計算に関係していないため、課税売上割合が変動したとしても調整する必要がないわけです。 また、固定資産を長期にわたり保有するために税額調整が必要になるわけで、売却などにより第3年度の課税期間(通常は購入の翌々期)の末日に保有していない場合には調整計算は必要ないことになります。 ただし、課税売上割合が著しく減少した場合には当初の課税売上割合が95%以上であることにより全額を控除した場合であっても、変動率、変動差などの要件を満たせば税額調整は必要となりますので注意してください。課税売上割合が著しく減少した場合には上記の説明とは逆に、第3年度の課税期間において仕入控除税額がカットされることになります。 2. 転用した場合の調整 ところがこの固定資産をその後に非課税業務(非課税売上を生むための業務)用に転用したらどうでしょうか。当初から非課税業務用としていれば、全く税額控除はできなかったわけですから、購入時の用途だけで税額控除を完結させるには問題があるわけです。 そこで、調整対象固定資産を取得の日から3年以内に転用した場合には、次のような調整計算をすることとしています。
注)調整対象税額とはその調整対象固定資産に課された消費税額をいいます。 取得日から転用日までの期間の経過に応じ、課税業務用のものを非課税業務用に転用した場合には、転用日の属する課税期間の調整前の仕入税額から減算し、非課税業務用のものを課税業務用に転用した場合には逆に加算します。 このような調整計算は、個別対応方式により仕入税額を計算した場合に限り行うものですが、たとえ、個別対応方式を適用した場合であっても、共通対応用に区分したものを転用した場合や、共通対応用に転用した場合には適用されません。個別対応方式により、課税業務用として仕入税額を計算したものを非課税業務用に転用した場合と、非課税業務用として仕入税額を計算したものを課税業務用に転用した場合に限り適用されることに注意してください。 2010年09月02日 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0) |
2010年06月16日消費税の届出と訂正「簡易課税を選択していたが、来期に大きな設備投資をすることになった。簡易課税をやめて原則課税にして還付を受けたいが届出書類の時期はもう過ぎてしまった。」とあきらめていませんか。 仮にあなたの会社は3月決算としましょう。 2. 簡易課税を選択しているが、3月の時点で、来期の12月に大型設備に多額の投資をするので「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を出さなくてはと話をしていたが、まだ提出していないことを4月になってから気がついた。 B 決算期変更 2010年06月16日 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0) |
2009年12月17日事業に必要な資金(資本金)会社法では資本金1円でも株式会社が設立できます。しかし、事業を興すにはそれなりの初期費用が必要であり、運転資金のない状態でスタートすれば借入れに奔走して十分な営業活動が出来ない事態にもなりかねません。 必要資金の準備なくして起業はありえません。事業内容や規模によって必要資金の額は様々ですが、最低初期費用と開業から3ヶ月の運転資金を目安に計算します。 例:設立登記費用、店舗保証金、前家賃、仲介手数料、内装工事費、パソコン、FAXプリンター、電話、ドメイン、サーバー、ホームページ制作代、アルバイト給与3月、自分の給与3月、仕入代金、家賃3月、チラシ代、水道光熱費 こういった費用がどのくらいかかるのかを、事前にきちんと計算してから資金を用意しましょう。資金集めが大変だからといって、甘く考えてはいけません。また、売上が予想した通りに上がらないときの第2第3の策も考えておくと良いでしょう。 また、消費税について覚えておいて下さい。 一般的に、個人でも法人でも開業2年間は消費税免除と言われていますが、落とし穴が一つあります。最初から資本金が1000万円以上で設立した場合は、設立1年目から消費税の課税事業者になるということです。最初は300万円で設立したが第1期中に増資をして1000万以上になった場合は翌期(第2期)から課税事業者です。免税事業者であっても売値に消費税が転嫁されており、新設法人とはいっても資本金1000万は小規模事業者とはいえない、諸々の実態を考慮して線引きをしたのだと思います。 2009年12月17日 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0) |
2009年11月27日中間申告前事業年度の法人税が20万円を超える場合、消費税が国と地方合わせて60万円を超える場合、半年経過後にその半分の税額を納税する必要があります。 では、前期は業績が良く多額の納税をしたが、今期は赤字あるいは業績が悪い場合は、どうしたら良いのでしょうか。そのままにしておくと、前期の半額を納付することが確定してしまい、さらにそれを納付しなければ利息である延滞税がかかってきます。 業績が悪化し資金繰りが苦しい場合、それを減額する方法があります。 当期の事業年度開始から6ヶ月の仮決算を組んで、それに基づき中間申告をすることにより、納付税額は前期分の半分ではなく、その仮決算に基づいた数字に変更されます。業績が悪い場合は、負担軽減になります。 また、法人税と消費税のどちらか片方だけを仮決算による中間申告をするという選択適用も可能です。 詳しくは税理士にご相談ください。 2009年11月27日 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0) |
2009年08月25日消費税簡易課税制度選択届出消費税の納付税額は、課税売上の消費税額と課税仕入の消費税額の差額です。課税売上の消費税額より課税仕入の消費税額のほうが多ければその差額は還付されます。会社は様々な経費を支払いますが、その全てに消費税がかかっている訳ではありません。例えば、給料や保険料、固定資産税などには消費税はかかりません。従って正しく課税仕入の消費税額を計算しようとすると会計帳簿の記帳はとても煩雑になります。また非課税売上があると、そのための課税仕入は計算から除外されるなど、消費税の計算はとても複雑です。そこで、実際の課税仕入は計算せず、業種ごとのみなし仕入率を用いて計算する簡易課税制度が設けられています。 1.簡易課税にしたい時は、第1期の末日までに選択届出書の提出が必要 説明 2について 3について
簡易課税のみなし仕入率を判定する業種区分は、定款に記載した事業や、税務署への届出書に記載した業種によるものではありません。あくまでも、実際に行った事業の内容によるため、いずれの業種に該当する売上であるのか記録しておかなければなりません。記録の方法は、請求書や売上伝票、帳簿等に事業の種類を記録する方法のほか、営業担当者や店舗ごとに一つの種類の事業のみを行っている場合にはそれぞれの売上として把握しておく方法などが考えられます。「簡易」と言っていますが実際の記帳はそれなりに複雑です。 4について 2009年08月25日 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0) |
2009年08月18日課税事業者選択届出消費税は難解でややこしい点があります。 資本金1000万円未満の法人の設立第1期・第2期は免税事業者です(期首日の資本金額が1000万円未満なら免税)。 設立第1期、第2期あるいはその後の期に大きな設備投資をする場合(つまり売上などで預かった消費税よりも仕入れ・経費・設備投資などで預けた消費税が多い場合)、消費税の還付を受けたほうが得です。ただし、免税事業者のままでは絶対に還付は受けられません。課税事業者を選択する必要があります。 課税事業者・免税事業者 全ての事業者が消費税の納税を行うのが原則ですが、次の1・2の事業年度は消費税の納税義務が免除されます。 1.資本金1000万円未満の法人の設立第1期と第2期 納税義務が免除された事業者を「免税事業者」といい、納税義務が免除されない事業者を「課税事業者」といいます。
第1期に増資した時 免税事業者のままでは還付は受けられない 選択は2年しばり 第1期から選択した場合は3年しばり 2009年08月18日 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0) |
2009年07月31日簡易課税制度消費税の計算は、本来は「預かった消費税」から「支払った消費税」を引いた金額を納税する、という考え方(本則課税といいます)で行いますが、「簡易課税」という例外があり、これによって納める消費税が少なくてすむ場合があります。 簡易課税は、課税売上5千万円以下の中小企業について認められている仕入税額の特例計算です。上の式で、「支払った消費税」を集計する代わりに、「課税売上金額の何パーセント」というように決めてしまって計算する方式です。この「何パーセントなのか」を「みなし仕入率」といい、業種別に、5種類の区分が決められています。業種を第1種~第5種に区分しみなし仕入率は90%~50%に決められています。計算が簡単だから消費税も安いかというとそうではありません。簡易課税と本則課税のどちらが有利なのかは、シミュレーションをしてみなければわかりません。具体的な計算や有利不利の判定については、ちょっと長くなるので、次回以降にご説明します。
2009年07月31日 | この記事へのリンク | この記事へのコメント (0) | トラックバック (0) |