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2009年09月15日

圧縮記帳ってなんだろう

会社が固定資産を売って売却益が出た場合、当然それに対して税金がかかります。例えば工場移転のため簿価1億円の土地建物を10億円で売って新たに10億円の土地建物を買った場合、仕訳は次のようになります。

現金     10億円/(旧)土地建物  1億円
          /固定資産売却益 9億円
(新)土地建物 10億円/現金      10億円

この結果、9億の売却益に税金がかかります。実態は旧土地建物が新土地建物に変わっただけ。売却益に税金がかかれば前と同じ規模の土地建物は買うことが出来ません。単純に土地建物を売って利益が出たなら仕方ありませんが、何か理由があって移転を余儀なくされた場合などは、現金収入があるわけではありませんから、税金の支払いのために別途現金を捻出しなければならなくなってしまいます。税金をかけられることには納得しがたいこともあるでしょう。

こういった場合に対応して、税法では、一定の要件に当てはまるときに、新規に買った資産の帳簿価額を利益分だけマイナスしてそれを資産の取得時に損金算入することができる制度が用意されています。
現金      10億円/(旧)土地建物  1億円
           /固定資産売却益 9億円
(新)土地建物  10億円/現金      10億円
固定資産圧縮損 9億円 /(新)土地建物  9億円

この結果、売却益と圧縮損が相殺されて利益が出ないため、税金はかかりません。

留意点
1. 新しい資産の取得時に固定資産圧縮損を計上するため、一時的には帳簿上の利益を圧縮することになり、税金がかからない
2. 新建物の帳簿価額は減額されており、それを基に計算する減価償却費は少なくなる(その分、後の年度で利益が出やすくなる)

つまり、圧縮記帳は税金のかかる時期を先に延ばすということです。

どんな場合に利用できるか
1. 国庫補助金をもらって固定資産を買った場合
2. 固定資産が火災などにあって、もらった保険金で代わりの資産を買った場合
3. 固定資産同士を交換した場合
4. 固定資産が収用されてもらった補助金で代わりの資産を買った場合
5. 固定資産を売って、一定の条件にあった資産を買った場合

2009年09月15日

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